■薬に対する過敏性■

Q:今は安定剤と入眠剤を夜に服用しているのですが、レビー小体型認知症の薬剤過敏の影響で幻覚や手の震えがひどくならないか心配です。

薬に対する敏感性について、例えばどういう事があるのか具体的に教えてほしい。循環器系の服薬をしているが、こういう薬でも関係するのでしょうか?

Aパーキンソン症状(錐体外路症状)を悪化させるか 意識障害を悪化させるか 大きく2つに分かれると考えています

 まず、レビーは基本パーキンソンを合併しているので錐体外路症状(錐体外路は主に大脳の基底核という部位で調整されている経路で、反射やバランスといった不随意運動関わる経路)誘発やドパミンを抑制する薬剤は禁忌です。

一般内科で処方される薬では食欲改善に ドグマチール

消化管機能改善に プリンペラン

幻視・易怒性・暴言などのBPSDに 以下の抗精神薬は注意してください。

フェノチアジン系:コントミン(クロルプロマジン)

ブチロフェノン系:セレネースなど

ベンザミド系:ドグマチール、グラマリールなど

セロトニン・ドパミン遮断:リスパダールなど

上記はパーキンソン症候・錐体外路症状を急速に悪化させるので注意です。

固縮・歩行障害悪化し、転倒危険・嚥下困難に注意し 症状出たらすぐ中止します

次に意識障害を悪化させる薬剤について

問題は 意識の変動がレビーにあり この意識障害はどの薬剤でくるか 個人差あります。

風邪薬:ぺレックスでも発症します 三環系抗うつ薬(トリプタノール、トフラニールなど)も要注意です

頭の脳内は  アセチルコリン・ドパミン・セロトニンの 3つの物質が バランスを取って活動していると考えてください

アセチルコリン減少:アルツハイマー型認知症 

ドパミン減少:パーキンソン症状 

セロトニン減少:うつ状態

この3つをいかに バランス調整するかが大事で 特にレビーでは神経を使うところです

このバランスを崩すような治療(薬剤投与をした時)が認知機能悪化、パーキンソン悪化、うつ・アパシー悪化し 薬剤過敏ととらえられることにもなります。 レビー小体型認知症では 私は ドネペジルは最大3mgで留めています。ドネペジルはアセチルコリンを増加させる薬剤ですが、脳内のアセチルコリンとドパミンのバランスが崩れるとBPSDを発症しやすくなると考えています。レビー小体型認知症にドネペジルが処方されていて、易怒性・興奮など症状変化がでたらすぐ減量を考えてください。

眠剤は ベンゾジアゼピン系を避けるようにしています、ふらつき 悪夢 健忘等避けるために。

 


A循環器系の薬剤自身が レビーを悪化させることはないと思いますが

利尿剤の電解質異常やARBによる腎機能の悪化、Ca拮抗薬による浮腫など

認知症患者さんは うまく症状の訴えができないので 注意しています。 また内服管理が大事で降圧剤を飲みすぎると、血圧が下がり脳血流減少し、認知機能低下します。また怠薬で高血圧放置すると 多発性脳梗塞の原因にもなり、認知機能低下・ADLの低下を加速させます。 

薬剤の副次作用を知っておくことは、とても大切です。


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