A:パーキンソン症状(錐体外路症状)を悪化させるか 意識障害を悪化させるか 大きく2つに分かれると考えています
まず、レビーは基本パーキンソンを合併しているので錐体外路症状(錐体外路は主に大脳の基底核という部位で調整されている経路で、反射やバランスといった不随意運動関わる経路)誘発やドパミンを抑制する薬剤は禁忌です。
一般内科で処方される薬では食欲改善に ドグマチール
消化管機能改善に プリンペラン
幻視・易怒性・暴言などのBPSDに 以下の抗精神薬は注意してください。
フェノチアジン系:コントミン(クロルプロマジン)
ブチロフェノン系:セレネースなど
ベンザミド系:ドグマチール、グラマリールなど
セロトニン・ドパミン遮断:リスパダールなど
上記はパーキンソン症候・錐体外路症状を急速に悪化させるので注意です。
固縮・歩行障害悪化し、転倒危険・嚥下困難に注意し 症状出たらすぐ中止します
次に意識障害を悪化させる薬剤について
問題は 意識の変動がレビーにあり この意識障害はどの薬剤でくるか 個人差あります。
風邪薬:ぺレックスでも発症します 三環系抗うつ薬(トリプタノール、トフラニールなど)も要注意です
頭の脳内は アセチルコリン・ドパミン・セロトニンの 3つの物質が バランスを取って活動していると考えてください
アセチルコリン減少:アルツハイマー型認知症
ドパミン減少:パーキンソン症状
セロトニン減少:うつ状態
この3つをいかに バランス調整するかが大事で 特にレビーでは神経を使うところです
このバランスを崩すような治療(薬剤投与をした時)が認知機能悪化、パーキンソン悪化、うつ・アパシー悪化し 薬剤過敏ととらえられることにもなります。 レビー小体型認知症では 私は ドネペジルは最大3mgで留めています。ドネペジルはアセチルコリンを増加させる薬剤ですが、脳内のアセチルコリンとドパミンのバランスが崩れるとBPSDを発症しやすくなると考えています。レビー小体型認知症にドネペジルが処方されていて、易怒性・興奮など症状変化がでたらすぐ減量を考えてください。
眠剤は ベンゾジアゼピン系を避けるようにしています、ふらつき 悪夢 健忘等避けるために。
A:循環器系の薬剤自身が レビーを悪化させることはないと思いますが
利尿剤の電解質異常やARBによる腎機能の悪化、Ca拮抗薬による浮腫など
認知症患者さんは うまく症状の訴えができないので 注意しています。 また内服管理が大事で降圧剤を飲みすぎると、血圧が下がり脳血流減少し、認知機能低下します。また怠薬で高血圧放置すると 多発性脳梗塞の原因にもなり、認知機能低下・ADLの低下を加速させます。
薬剤の副次作用を知っておくことは、とても大切です。